忍者ブログ
日記。思ったこととか素直に書く文章。





×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

その一言に唖然としたまま、温もりを散らした指先がわなわなと震えだす。ゆっくりと拳を固め、肩に入りかけた力をほどいた。

「その話、本当なのですか…?」

耳を疑う言葉だった。
彼の兄が放った一言に、少女は顔を伏せたままだ。こういう反応することが分かっていても、言わなければならなかった言葉。
酷く傷ついたのだと、彼にも分かったが残酷な真実を口にすると決めたのは己自身だったから。―――あえて、荊を踏みこむ。
「ああ、兄は…『暁の乙女ではなく、君の能力(ちから)を姫神子の座につける』と言っていた………すまない」
唇を噛んで視線と一緒に、顔を伏せて彼は呟いた。
「彼女ではなく、君を………姫神子の座につけようとしている」
「どうしてそんなお話になりましたの?」
震える唇でまっすぐに問いかける。彼はその姿勢を崩すこともなく、見えない表情で続けた。

「兄は彼女を娶ると言い出した…」
「どうして!?」

糾弾する強さで叫び、少女は勢いよく立ち上がる。その表情はひどく青ざめて、寒さから身を守るように自分の肩を抱きしめた。
「ごめんなさい………貴方を責めても意味がないのに…」
「いや、俺がもっと早く気がついていればよかったんだ………そうしたら………こんな状態にはならずに済んだ」
腰から曲げて頭を下げる。自尊心の強い彼が、こんな真似をするなど少女も考えていなかった。
「姉さまを嫁にと望むのでしたら……尚のこと、一刻を争うのですね」
確信に迫る一歩を踏み出す少女に、彼は頷くことで答えとした。





よし!浮かんだ部分は書いたずぇ!!

拍手

PR
カレンダー
11 2025/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
ボカロ

最近の投稿(音楽)
powered by ピアプロ
プロフィール
HN:
ほど。
性別:
非公開
ブログ内検索
バーコード
趣味
カウンター
あだ。
クリック募金
おススメBLゲーム
Material byAtelier Black/White
designed by DEVIL-R
忍者ブログ [PR]